NFTアート作品の分類と代表的な事例を紹介

アート作品

・NFTアートとは

 従来のデジタルアートにブロックチェーンの技術を利用して作成者と所有者が明記され、その情報が決して改ざんされないようにしたものがNFTアートです。ブロックチェーンにあるトランザクション(取引履歴)を見ることで、以前は誰が所有していたのかも分かり、その全てが改ざんできない仕組みになっています。

このようにデジタルコンテンツであれば、全てNFTアートになり得るわけですが、NFTアートならば、どれでも価値があるわけではなく、その作品に人々が価値を認めるかどうかが重要になってきます。

下記では3つの例を題材にして、どのような作品に価値があり、何故、価値がついたのかを考察します。それによってNFTアートを売買する際の判断基準の1つを提示してみたいと思います。

  1. ビープルが与えた衝撃

    2021年3月、1つの報道が世界中を駆け巡り衝撃が走った。クリスティーズ・オークションというオンラインのサイトで、ビープル(本名:マイク・ヴィンケルマン)という名のアーティストのNFTアート作品「Everydays:The First 5000 Days」が約75億円で落札されたからだ。

























(Everydays:The First 5000 Days by Beeple)

 彼は毎日1枚のデジタルアートを作成し、「Everydays」というプロジェクトを13年以上続け5000枚のデジタルアートをまとめて1つの作品にしました。
Everydaysの中に収められている作品をいくつか見てみましょう。
















・1日目(by Beeple)





















・3650日目( by Beeple)
























・3651日目( by Beeple)

 (自分に言い聞かせるための言葉 by Beeple)



















・5000日目/ラスト画像(by Beeple)

このような作品5000枚を1つにまとめたものがEverydaysという作品です。一人のデジタルアーティストの5000日間におよぶ創作活動の軌跡を観ているようですね。

世界の人口の数に匹敵するほどの価格をつけたこの作品、NFTアートでは最高額になります(全アートでは3位)が、5000枚を単純に1枚あたりに換算すると150万円になります。

しかし、そのような単純なもので価値は計れませんね。

このアートの何が凄いのでしようか?

1つ1つの作品を観る限りでは、他の熟練アーティストにも作成できそうな作品も中にはあります。

ここでは簡単に思いつくことを挙げてみます。

【Everydaysの凄さ】

・5000日間の創作活動の軌跡を表現

・既存のアートでは表現が難しいことを表現

 (デジタルアートだからこそ可能になること)

・未来のアートの在り方を予感させる力強さ

・メッセージ性

・NFTアートのパイオニア的存在の1つ

他にも凄いところはあると思いますが、凄さを全て挙げるという事に意味があるわけではなく、人々がそれぞれの観点で価値を認められるところに意味があります。もし、この作品が単なるデジタルアートならば、このような価格になったでしようか?

誰でも容易に複製できて、世界中に多くの複製が散在する作品に75億円の値段がついたでしようか?

NFTにすることで、希少性や、一点ものであることの保証がなされ、作成者も明確に記載されている事に加えて、作品そのものが持つアート性や奇抜性、オンラインサイトのオークションなので、仲介料なども間に入っていないことなどを含めた総額が、この価格になっています。

NFTにすれば誰でも希少性や一点ものの保証はクリアされます。

しかし今も昔も変わらず価値の大部分はアート性が占めています。

初心者がNFTの売買について注意して欲しいことは、この部分にあります。NFTアートならば何でも価値があるという錯覚です。

NFT  =  デジタルアート  ×  ブロックチェーン技術

   (アート性・奇抜性) (希少性や著作権・所有権の保証)

ビープルの作品を模倣した作品が現れた場合、同じような価格で落札されると思いますか?

おそらくそれはないと思います。

それがパイオニア的な存在であり、オリジナリティの強味です。

あるNFTアートの価値がどこにあるかを考察して、見る目を鍛えていくのもNFTアートの売買や投資には必要な資質になっていきます。

  1. クリプトパンクスが与えた影響

    クリプトパンクスはカナダのエンジニアであるマット・ホールとジョン・アトキンソンによって作成された24×24ピクセルの1万枚しか存在しないドット絵のデジタル画像です。

    6039枚が男性、3804枚が女性、88枚がゾンビ、24枚がサル、8枚がエイリアンです。

    2017年の発売当初にイーサリアムウォレットを持っていたら、無料で入手することができました。

    現在は1枚300万円~約11億円で取引されています。

    何に価値がつくのか分からない時代になりましたね。






(CryptoPunks)

2017年から存在するクリプトパンクスですが、何故このような価値がついたのでしようか?

1つ1つの画像だけ観ると、こどもでも作成できそうな画像ですね。このデジタル画像のどこに価値がついたのかを考察してみましよう。

ここでも簡単に思いつくことを挙げてみます。

【クリプトパンクスの凄さ】

 ・ユニークで世界に1つだけのドット絵

 (全作品1万枚の中に同じ顔は1つもないユニークさ)

 ・92種類のアクセサリーと5つのタイプ(男性、女性、ゾンビ、サル、エイリアン)の組み合わせで作品の希少性が変わる。

・有名人やインフルエンサー、ファッションデザイナーや大手企業が保有

・価格が常に上昇傾向にあり、話題性があり投資家やコレクターに注目されている。

例えば1万枚の中で男性より、エイリアンの方が枚数が少ないので、価値が高いと言えます。












特にアクセサリー付きエイリアンは価値が高いです。

(約8億1400万円で取引されたエイリアン)














(クレジット会社大手VISAが約1646万円で購入した女性の顔)

このようにクリプトパンクスは、希少性とファッションアート性、有名人などの保有、更なる価格上昇による投資家やコレクターの注目といった点でNFTアートへ影響を及ぼし続けています。


  1. こどものNFT進出

        ・小学3年生(アーティスト名:Zombie Zoo Keeper)の作品

 夏休みの自由研究で作ったピクセルアートが約80万円で取引された。ドット絵が描ける無料ソフトをiPadにダウンロードして、大好きなマインクラフトのゾンビと図鑑や絵本の中の虫や動物を掛け合わせたピクセルアートを作成した。

それから直ぐにOpenseaアカウントを作って出品したが、最初の1週間は無反応だったらしい。そこから1週間経過した時に、ドット絵イラストレーターの「たかくらかずき」さんが2300円ほどで購入。次第に認知され、300万人のフォロワーがいる人気DJのTrevorさんが購入しTwitterのアイコンに使用。

そこから一気に落札数が増え、多くの人がTwitterのアイコンに使用するようになり、80万円の価格がつくものまであった。更に二次流通市場では約700万円で出品されているものまである。2000円程度で販売されていた作品が転売することで、一気に価格が上昇するようになった。

8歳の作成者は、作品が売れることは嬉しいことだけど、あまりお金が多過ぎたら、人生が変わってしまいそうだと慎重な姿勢を見せているという。















(ゾンビクモ by Zombie Zoo Keeper)

・海外の12歳の少女がNFTアートで1億8000万円を売り上げる

 NFTアーティストのナイラ・ヘイズさん(12歳)は、4歳の頃から絵を描くのが好きで、9歳になると細長い首の女性のポートレートを描き始めた。(作品名:ロング・ネッキーズ)

ナイラさんは当時、恐竜、特にプロントサウルスが好きで、恐竜の持つ力強さや格好良さを自分の描く絵に取り入れたかったという。ナイラさんにとって、恐竜の太くて長い首は力強さの象徴で、更に女性も力強いと思っていた彼女は、この2つを掛け合わせて、ロング・ネッキーズという作品を生み出したという。

ナイラさんの引用:
「そういう女性の潜在的な美しさや力強さを作品で表現したい。どんな文化や環境にいても、基本的に女性は全員美しいと思うから」














(ロング・ネッキーズ by ナイラ・ヘイズ)

このようなこどもたちの作品から分かること、伝わることは何だろうか?

【こどもの作品から分かる凄さ】

・こどもがNFT作品を作り出した話題性

・こどもならではの純粋な発想とアート性

・素直なメッセージ性

特に純粋な発想はアートにとって不可欠なもの

計算されたアートではなく、純粋だからこそ観る人々に伝わり易いメッセージ性もある。

もう1つ重要なことはアートと直接的な関係はないですが、ネット社会のもたらすグローバル性と情報伝達速度、ブロックチェーン技術のもたらす唯一性も貢献しています。

もしこれがなかったとしたら、こどもの作品が広く人々の目にとまる機会は訪れたでしようか?
そして直ぐに売れたでしようか?
更に作品の作成者がこの人物であるという事を証明できる何かがあったでしようか?

はっきり断言すると、NFT作品だから達成できた事です。

アーティストは、どこかの場所を借りて個展を開く必要がなく、出品に関して手続きや仲介料をとられることもなく、自由に自分自身の作品を出品し、多くの人々に認知させて販売することができるようになりました。

多くのアーティストにチャンスが到来しています。

NFT大航海時代の幕開けであり、アーティストにとって広大な世界が開けています。

・NFTアートの種類

 デジタルコンテンツならば、何でもNFTアートになりうるくらい広い世界なので、現在のマーケットプレイスで扱われている作品を、いくつかのカテゴリーに分類したものを紹介します。

①描画アート(ドット絵や描画ソフトを使って作成した画像)


(CryptoPunks) 



 (Zombie Zoo Keeper) 


   (Nyla Hayes)

上記で紹介したアーティストたちの作品はこれに該当します。
また殆どの作品はこのタイプが多いです。

②VRアート

(せきぐちあいみさんのVRアート)









メタバースを意識した作品も多く、グラフィックアートのスキルが必要になる作品です。


③既存の絵画や浮世絵をNFT化した作品










  1. ④スケッチやイラストをNFT化した作品














現物とセットで販売されることが多い

⑤彫刻のようなモチーフの3Dアート











グラフィックアートのスキルが必要になる作品です。

⑥写真をNFT化した作品










(by njgodfrey00)
出品している方は写真家が多く、中には現物とセット販売している人もいます。

このようにアートの世界は広いので、数多くのジャンルがこれからも誕生してくると思われますが、大雑把な分類では上記①~⑥が代表的と言えます。

 

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